みんなで使おう!E-350AV このチェーンソー 排ガス規制もあり生産停止になりそうですが、メーカーさんに聞いてみると、排ガスが悪いから即終了ではなく、メーカーとしての規制枠が有るそうで、売れればその分存続??? 新ダイワ E-350AVはかなり昔から存在するモデルであるが、今もなお、そのラインナップに堂々と名を連ねる非常にタフでメンテナンス性にすぐれたチェーンソーです。 今回はキャブレターのオーバーホールと調整 今回は、エンジンの回転計を使わない方法です。。 2ストロークエンジンは、ほんとは簡単です。 基本的な事ですが、出来ない人が多いいのでぜひ自分でメンテできる様になって下さい。 一般的な故障に対する トラブルシューティング もUPしました。 リコイルスタータの修理 UPしました。 |
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それでは、E-350AVのキャブレターのオーバーホールを行います。 今回は、キャブレターをほとんど分解しますが、普段のメンテナンスでは、必要の無い作業も含まれます。 特にキャブレターのバタフライバルブの分解は、(023~027)固着等が無い以外はやめた方が良いでしょう。 なぜキャブレターをオーバーホールするのか?を考えて必要の無い事はやめましょう。 |
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キャブレター オーバーホールに使う工具は三種類のみでOK 上から ① 4mm 六角レンチ ② 少し小ぶりの +ドライバー ③ チェーンソーを購入時に付属のキャブレター調整用 -ドライバー |
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付属のキャブレター調整用ドライバーには、持ち手の端部に羽が付いていて何回転回したか解る様に工夫されているので非常に便利である。 他のドライバーで代用する場合は下のドライバーの様にテープなどをはって目印を付けると良いだろう。 |
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整備の上でパーツクリーナーは必要。 キャブレターボディーの汚れ落としの他、内部の清掃時に、コンプレッサーのエアーを使うと、細かい部品が飛んだり、破れたりする場合もあるので、エアーは使わずに、パーツクリーナーを使ったほうが無難である。 |
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長期に放置されたエンジンなどは、キャブレター内部に、揮発した混合ガソリンの残存物が、飴状にベトベト付着している場合が多々有るがその様な汚れはこの 無水エタノール が一番 キャブクリーナーや色々な製品を試したが、こいつが一番良い。 無水エタノールはドラッグストアーで購入可能 無水エタノールの使い方は、分解したパーツ(洗浄したい物)を小さなボールや、コップに入れて浸して置くだけ。 10分程度で落ちだす。 頑固な物は、綿棒などで、無水エタノールを付けながらこすってやると早く落ちる。 この時、パーツ全体を無水エタノールに漬け込むため、部品の大きさに合った容器をチョイスする事で、無水エタノールの使用量をセーブできる。 |
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001 |
キャブレター取り外し作業 カバーとエアークリーナーを外して、キャブレターを固定している2本のビスを外す。 |
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002 |
完全にゆるめたら、ボルトはすぐに抜かない事! | |
003 |
ゴールドにメッキされたパーツ(ブラケットキャブ)を持って、ゆっくり引き上げる。 この時に、左右にあるワッシャをキャブレターの内部に落とさない様に注意!! 心配な場合は、初めにキャブレター開口部にティッシュなどを詰めて置くと良いと思う。 ワッシャを落すと 最悪シリンダー内部まで落ち込むので要注意!! |
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004 |
外したパーツは、向きや場所を忘れない様、保管 | |
005 |
次に燃料パイプとサクションパイプを外す | |
006 |
パイプが外れたら、つかんで持ち上げ 少しだけ反時計周り方向にひねる。 |
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007 |
キャブレターボディを少しひねる事でスロットルのリンクが外しやすくなる。 そして、引っ掛かっているリンクを外す。 |
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008 |
キャブレターボディの汚れはこの時にパーツクリーナー等で落として置く |
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009 |
キャブレターボディ分解作業 トップ(ポンプカバー)の+ネジを外す。 |
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010 |
カバーを外すと 黒いガスケットが出てくるが 固着している場合は、カッターなどで慎重に油等を付けながら剥がしていく。 ここでポンプカバーやガスケットの汚れホースの取付口等をパーツクリーナーで洗浄。 |
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011 |
大体の場合は、写真の様な状態で外せるが、 このパーツも、2つのパーツが合わさった状態。 (ガスケットポンプカバー + ダイヤフラムポンプ) これを無理に剥がす必要はない。 下がダイヤフラム。 |
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012 |
キャブレターボディー側の清掃。 赤○部に燃料フィルターの網が付いている。 この網はガソリンは通すが水は通さない。ここに水がたまる。 燃料系の不具合の90%程度はこのストレーナー(網)に異物が詰まって不調をきたす。 ここに異物(水等)が有ったあ場合はそのほとんどが解決であるので作業完了。 今回はオーバーホールなので先に進む。 |
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013 |
ここのストレーナの清掃はエアーを使わない事。 コンプレッサーのエアーを吹き付けると ストレーナー(網)が吹き飛んで紛失する。 網回りや各ポート(穴)をパーツクリーナーで清掃する。 |
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014 |
次に裏側 ダイヤフラムカバーを外す。 |
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015 |
ダイヤフラムが固着している場合は、先ほど同様カッター、油を用いて少しずつ剥ぎ取る。 |
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016 |
この黒いパーツも ダイヤフラムアッセン+ガスケットダイヤフラム の2つのパーツからなる。 |
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017 |
次にガソリンのバルブ(スプリングHNS)を取り外す。 ピンを固定している、プラスのネジを外せばOKなのだがレバーの下に小さなスプリングがいて、うかつに外すと飛出し紛失するので要注意! |
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018 |
ピンとレバーを取り外す。 | |
019 |
バルブ(スプリングHNS)とスプリングを取り外し保管。 バルブ(スプリングHNS)に汚れが有る場合、燃料のオーバーフローの原因なので、無水エタノールに浸けて汚れを落とす。 そして燃料のポートを清掃。 めったに無いが、燃料を入れれ置いた後、一定期間保管後エンジンを始動させようとしたら、シリンダー内に燃料がじゃぶじゃぶ こんな場合はこのバルブの不具合。 |
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020 |
ニードルスクリューの取り外し。 | |
021 |
HiとLoのニードルはネジ径が違うので間違えて逆に着ける事は無いが、作業効率を考え Hi と Lo を区別して保管 二ードルの先端等に汚れが無いか確認&清掃。 |
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022 |
ニードルのポートもはーつくりーなーで清掃 | |
023 |
スロットルバルブの分解 この作業はほとんど必要ないと思われますが、固着等で分解が必要な人は、行って下さい。 |
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024 |
中央の+ネジを外すとバルブが外せます。 よく見るとバルブ外周に小さな欠きがあります(ナンバー打刻の下側) この欠きの位置を覚えておくと組み付かがスムーズ。 |
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025 |
スロットルバルブシャフトを取り外すには、サイドのCリングをドライバーで外す | |
026 |
回転させながら引き抜く。 バルブを止めているネジ穴の付近にバリ等があると抜けずらいがゆっくり引き抜く。 バルブやシャフトの点検清掃。 |
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027 |
圧入パーツを除いて分解完了。 | |
028 |
キャブレター本体組立作業。 スロットルシャフトを挿入しCリングで固定 バルブの取り付けだが、作業023の写真を見ながら 組み付け シャフトのレバー位置、スプリング位置、バルブ向きと角度 確認しながら組み付け、センターの+ネジを借り組み付け。 |
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029 |
センターの +ネジをソフトに締めた状態で、バルブシャフトのレバーを動かして、バルブの開閉を何度か行う。 この時、バルブの位置が合っていないと、バルブが全閉とならない。 バルブが全閉となった位置が正しい位置なので、その状態で、本締めを行う。 |
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030 |
バルブ(スプリングHNS)の組み付け ピン、レバー、バルブをセットにして組み付け 本体側にはレバースプリングを乗せて置く。 レバーの赤○の位置下側にスプリングが固定される。 |
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031 |
ガソリンのポート(穴)にバルブを入れながら先ほどのレバー位置にスプリングを合わせる。 | |
032 |
うまくセットが出来たら、指で押さえつつレバーピンを固定するネジを取り付け。 |
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033 |
指を離すとスプリングが飛び出すので注意 |
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034 |
レバーの端部を押してみてバルブ(スプリングHNS)が、動く事を確認する。 |
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035 |
ニードルスクリューのHiとLoを借り組 | |
036 |
ダイヤフラムの向きと裏表を間違えない様セット | |
037 |
ダイヤフラムカバーを乗せる。 赤○の穴の位置を間違えない様注意。 4本のネジでカバーを固定 |
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038 |
本体を裏返して、ポンプ側のガスケットをセット 裏表と向きを間違えない様注意! |
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039 |
ポンプカバーをネジ止めして組み立て完了。 | |
040 |
キャブレターボディーを本体に戻す前に、 調整ドライバーを使ってニードルスクリューを基本位置にセットする。 |
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041 |
ニードルバルブの基本位置はHi と Lo 一緒。 ① ニードルスクリューを軽く締め込み全閉とする。 ② 調整ドライバーを用いて、 全閉から、1と1/2回転 開く。 ③ Hi と Lo 行う。 |
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042 |
キャブレターボディーを本体に戻す | |
043 |
スロットルリンクを引っ掛ける |
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044 |
2本のパイプを接続する。上側と下側を間違えない様注意。 | |
045 |
ニードルスクリューを本体のゴム穴に差し込みながらセット | |
046 |
チョークバルブを組み付ける時ワッシャの脱落に注意 | |
047 |
チョークバルブをリンクに引っ掛ける。 | |
048 |
措定の場所に収まりを付ける。 バルブの裏表の間違え注意 |
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049 |
ワッシャをボルトにセット | |
050 |
ワッシャを落さない様ボルトをセット | |
051 |
取り付けボルトを借り組 この時ワッシャとチョークバルブが重ならない様注意 |
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052 |
チョークバルブを動かして確認しながら、キャブレター固定ボルトを締めこむ。 締め込み過ぎるとチョークが動きづらくなる (ほどほどに固定) |
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053 |
キャブレター調整作業 以後の作業をする前に問題の切り分けをする為 ①古い燃料は使わない。 ②タンク内、各ストレーナー(燃料フィルター)が清掃されている事。 トラブルシューティング編 参照。 ③燃料は余裕を持って入れて置く事。 リコイルでエンジンを始動してみる。 初めはキャブレター本体にガソリンが入っていないので始動しづらい場合もある。 point! どうしても始動しづらい場合、パーツクリーナーをキャブレターに少し吹きかけると始動しやすくなる。 パーツクリーナにはオイルが入っていない為、多用すると、焼き付きの原因ともなる。 Q エンジンが始動出来てアイドリングする。 Yes 作業054へ。 No case1 一瞬かかるがアイドリングしない この場合とりあえず写真53のアイドリング調整ネジを少しづつ締めこんで施行錯誤 解決なら 作業054へ case2 一瞬かかるがアイドリングしない アイドリング調整ネジをいっぱいに締めこんでもアイドリングしない。 この場合混合気が濃すぎる。 アイドリング調整ネジをいっぱいに締めこんだ所から1回転ほど戻す。 054写真ニードルスクリューLoを現状から1/8回転締めこむ。 この作業を繰り返し、アイドリングする位置をさぐる。 point! ニードルを絞る(締めこむ)と混合気が薄くなり、シリンダー内で着火しやすく成る為、回転が上がるが、混合気の量が少ないとオイル(混合されている2stオイル)の量も減る。又2stでは燃料にて冷却もかねている為、ピストン焼き付きのリスクもたかまる。 |
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054 |
作業053でなんとかアイドリングが完了。 次はニードルHi と Loを調整。上記point! で説明した様ガスの濃さによってエンジンをベストな状態にする。 ① Lo側の設定。 基本長くエンジンをいたわりたいなら、混合気は濃いめが良い。 case1 アイドリングネジを緩めるとエンジン回転が落ちる。 ベストな状態に近い。 しかし、もう少し混合気を濃い状態に出来るか調整してみる。 a. ニードルスクリューLoを現状から1/8回転開いてみる。 エンストする様であればアイドリングネジを締めこむ。調整ネジを締めこむ事でアイドリング出来ればさらに作業aを繰り返す。 ぎりぎりのアイドリングでなく、安定してアイドリング出来る、一番のニードルスクリューLoの開き具合をさぐる。 case2 アイドリングネジを緩めても回転が落ちない。 混合気が薄すぎなので濃くしてやる。 a. ニードルスクリューLoを現状から1/8回転開いてみる。 作業aを繰り返すとどこかでアイドリング調整ネジが有効となり、アイドリングが落ちる。 この後はcase1の作業に移る。 ② Hi側の設定。 基本長くエンジンをいたわりたいなら、混合気は濃いめが良い。 設定方法はエンジンをかけてスロットルを全開にする。 a. ニードルスクリューHiを現状から1/8回転開いてみる。 何回か繰り返すと、全開にしてもぶすぶすと回転が頭打ちして気持よく回転しなくなる。 これは混合気が濃すぎる状態。ここから少しづつ薄くしてベストな設定をする。 b. ニードルスクリューHiを現状から1/8回転閉じてみる。 作業bを繰り返しニードルスクリューHiを締めこんで行くとどこかでエンジンが高い音をたてて綺麗に回転しだす。さらにニードルスクリューHiを締めると排ガスがほとんど見えない(白煙)様になり、さらに締めこむと回転が頭打ちしてにぶくなる。 この前段階の白煙が見えなくなり最高の回転をするところが、エンジンのピークである。 が、レース用エンジンではない。この状態から少しニードルスクリューHiを開いて、排ガスが白くなんとなく見える程度(回転が少し鈍いくらい)がエンジンの為に良い設定と思う。 |
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キャブレターの調整とプラグの点検 キャブレターの設定が出来たら、それでOKではない。 調整のプロの方々なら、経験で確認は不要だが、経験が少ない方は必ずプラグの点検をして下さい。使用したプラグを点検する事で、キャブレターの設定が良いか、否かが大体わかります。 左の写真は右が新品、左が使用済み 外したプラグの赤○部 絶縁ガイシ の色をみます。 ①黒色~②こげ茶色~③キツネ色~④白色 キャブレターの混合気が濃すぎると ① 側 キャブレターの混合気が薄すぎると ④ 側 理想はキツネ色と言われますが、あえて混合気を濃い目に設定していると①側に行きがちです。 そこでもう一技 プイラグを変更する事で、黒に傾いた色を、キツネに近付ける方法がありますが、その前にプラグの知識が必要です。 プラグの熱価 E350AVの標準プラグは チャンピオンCJ8Y 僕はNGKを使用しているので互換表では NGK BPM6A この品番の BPM に続く数値を 熱価 と言います。 BPM6A では、熱価6番となります。 スパークプラグが受ける熱を発散する度合いを「熱価」といい、その度合いが大きいものを、高熱価(冷え型)、小さいものを、低熱価(焼け型)といいます。 プラグの温度が低い場合(黒色) 燃焼中プラグの温度が低い場合には、燃料が完全燃焼しない時に発生するカーボンが電極付近のガイシに付着します。そのため、ガイシとハウジング間の絶縁が低下して電気の漏洩が起こり、着火ミスの原因になります。 電極付近のカーボンは500度以上になると、燃焼により自然に焼き切れます。これを自己清浄温度と称しています。 プラグの温度が高い場合(白色) 電極が950℃以上になると、電極自信が熱源となって火花が飛ばなくても点火するプレイグニッション(過早着火)が発生してしまいます。 また、電極の溶損、ガイシの破損にまで至ることもあります。 要するに電極付近の色とは、燃料の燃焼後のカーボンの量(燃焼時のプラグ温度) 黒い場合 プラグ熱価を下げる・・・プラグ温度を上げる事でカーボンの自己 清掃能力を上げてキツネ色に近付ける (熱価数値を小さくする6->5) 白い場合 プラグ熱価を上げる・・・プラグの温度を下げてプレイグニッション やプラグの破損をまもる (熱価数値を大きくする6->7) チェーンソーを使用している環境において 標高の高い地域か低い地域か?気温が暖かい地域か低い地域か?使う人の置かれた状況で設定は変わります。 キャブレターの調整とプラグの変更で自分の使い方に合ったセッティングが可能となります。 |
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キャブレター調整 まとめ 要するに、スムースにアイドリングし、スムースに吹け上がる様調整できればOK ニードルHiを混合気濃いめから絞って行くと気持ちよく回るポイントがありますが、レースエンジンの調整ではありません。 そこから、少し濃いめのポイントを自分なりに見つけて下さい。 一方、ニードルLo はエンジン始動時のかかりの良さに直結します。あまり混合気を濃くすると、エンジンスタート時にプラグがかぶって、エンジン始動不能になりかねません。この辺は経験ですので、いろいろ試して下さい。 ニードルLo を調整し、その後ニードルHiを調整完了したら、再度ニードルLo を微調整すると、始動がらくになります。 これらの調整は、基本1度すれば良いのですが(メーカーでは)キャブレターの設定は厳密には、気温、気圧、湿度等に影響されます。特に気温ですが、真夏40度近い時と、真冬の氷点下では、異なります。春と冬年に2度程度設定してやると、チェーンソーを気持ち良く使えると思います。 みなさん参考になりましたか? |
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